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2020-06-07

「Single task1点集中術」読書レビュー 仕事効率化テクニックだけではなく人生を豊かに過ごす鍵だった件

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シングルタスク 集中力だけでなく人生を豊かにする方法

前回お伝えした「脳にダメージを引き起こすマルチタスクのデメリット」

の参考文献としてご紹介した「Single task一点集中術」ですが
紹介しきれなかったなるほどと思うことが多くあったので、私の読書レビューをまとめました。

SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
デボラ・ザック (著),
すべてが「超効率化」する!ハーバード、スタンフォード、MIT…脳科学、心理学の最新研究からわかった、超シンプルなのに超効果的な驚異の方法

普段やってしまいがちなマルチタスク。
それがもたらす弊害やその対処法は先の記事で書いた通り。

脳にダメージを引き起こすマルチタスクのデメリットとその対策

でもこの本が凄いのは、そんな集中力を向上させるスキルに留まらず、シングルタスクに専心することは
幸福度があがるというのだ。

デヴィッド ・ゴ ールドマン博士によれば 、 「幸福になる鍵は 、いまという瞬間にどっぷりとひたることにある 」という 。

2010年 、ハ ーバ ード大学の研究者たちは成人の被験者 2250人の機嫌のよさや 、いまの作業にどのくらい集中しているかなどを 、ランダムな間隔を置いて評価した 。すると 、仕事に熱心に取り組んでいる人ほど 、幸福を実感していることがわかったそう。

同様に 、すぐに気が散ってしまう人ほど幸福を感じる度合いが低いことも判明した 。

心理学者ヴィクト ール ・フランクルが生きていたら この説になにかつけくわえたかもしれない 。
彼は 「どんな状況に置かれていようと充実した人生を送れる人はなにが違うのか 」を 生涯をかけて考えてきた 。
そして 2つの心のはたらきと幸福のあいだに強い相関関係があることをあきらかにした 。
その 2つの心のはたらきとは 、 「人生の一瞬一瞬に生きる意味を見いだす能力 」「結果にとらわれて自滅する生き方を放棄する能力 」である 。

こんにち 、快適な生活を謳歌している多くの人たちが 、動画や写真などで楽しいできごとを記録することに夢中になっている 。と同時に 、そうしたできごとをきちんと体感しそこねている 。

あなたは 「休日の一瞬一瞬を楽しむ 」 「人生の大きなできごとをしみじみと味わう 」 「五感をとぎすませて体験する 」といったことより 、 「未来のいつかのためにスナップ写真をせっせと撮る 」ほうを優先していないだろうか ?

どきーっ‼︎

子供のかわいい瞬間を切り取ることに夢中で、目の前の子供との時間を味わうことが、十分にできていなかったような…

そうなんです。

シングルタスクに集中するということは、目の前の一つ一つを味わい、楽しみ、五感を研ぎ澄ませて体験すること。

これを読んで思い出したのが、毎日の暮しを丁寧に楽しむことを日々発信している松浦弥太郎さんの「今日もていねいに」の中で語られる、とびきり美味しいお茶を淹れることなどの、五感を使って生活を味わう様子

松浦さんの文章は、丁寧であたたかな視点が文章からにじみ出ているのがとても好きです。

読んでいる自分の気持ちもほぐれていくよう。

(松浦さんの本の紹介などはまた別の機会にまとめます)

そんな、丁寧にすごす暮らしについて考えていると、ふと思ったことは

一つ一つに集中し、味わう行為はマインドフルネスだったのかーーー。

ということ。なんだかいろいろ繋がったような気持ちになりました。

感動したり喜んだりする感受性の低下

2007年 、世界的に著名なバイオリニストのジョシュア ・ベルは 、ある実験に協力した 。彼はワシントン D Cの地下鉄に乗り 、ランファン ・プラザ駅で下車すると 、バイオリンケ ースを広げ 、チップをもらえるように床に置いた 。そして数百万ドルもの価値のあるバイオリンを 4 5分間 、弾きつづけた 。足をとめて演奏に耳を傾ける人はほとんどいなかった 。ベルはチップで 3 2ドル稼いだ 。とはいえ 、よく立ちどまり 、演奏に聴きいる世代がひとつだけあった 。子どもたちだ 。多忙なおとなたちは 、場合によっては 1分あたり 1000ドル支払わなければ聴くことができない音楽家の演奏を無料で楽しむまたとないチャンスを逃したのである
つねにあわただしくすごしていると 、感動したりよろこんだりする能力が失われてしまう 。
だがシングルタスクを本気で心がけ 、 「いまここ 」に意識を集中させていれば 、思わぬタイミングで意識を向けるべき現象が起こったとき 、それに気づくことができる

注意が分散した状態で周囲の世界を眺め 、なにがあろうとさっさと通りすぎていると 、人生に一度しかないような絶好の機会を逸するのだ 。

 

何の為の効率化?

仕事の効率化を図り、タスクを短時間で終わらせたとして、その空いた時間で気分転換にスマホゲームをやっている‥‥(;’∀’)はい、それは私です。

何の為に人は時間をつくろうとしているのか。

バ ージニア大学でおこなわれたある実験にとんでもなく恐ろしい実験結果がある。

実験では 、被験者がひとり 、部屋に取り残される 。室内には 、押すと自分に電気ショックを与えることになるボタンだけがある 。すると室内に取り残されてから 6分以内に 、被験者の大半がひとりで考え事をしてすごす不快感に耐えられなくなり 、自分に電気ショックを与えるボタンを押しという
なお 、この被験者たちは実験の前に質問をされたときには 、 「電気ショックを受けずにすむのならカネを払うほうがいい 」とまで答えていた 。

なななんと‥‥‼

この実験でわかるのは「ひとりで考えごとをすること」ということに耐えられずに、やりたくないことである電気ショックという苦痛なことまでやってしまうということ…!

ミシガン大学のイ ーサン ・クロス博士は 、人が気晴らしを求めるのは 、自分の人生について真剣に考えることから逃げるためではないかと推測している

先の自分の行動をみても、時間ができると「息抜き」と称してLINEやFacebookを見ている自分がいる…!

これって、つまり最も考えるべき「自分の人生について」を考えることから逃げていたということ…!?

私も電気ショックのボタンを押してしまう一人でした…

でもこの内省は少しずつ取り組んでいけば 、習慣として身につけられる技術だそうなので、まずは自分が「考えること」から逃げて「忙しく」してしまっていることを自覚し、集中して内省するように精進したいと思った次第でした。

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